大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(あ)1997 判決

主 文

原判決を破棄する。

被告人を懲役六月に処する。

第一審における未決勾留日数中五十日を右本刑に算入する。

理 由

福岡高等検察庁検事長柳川真文の上告趣意について。

所論は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

しかし、職権をもつて調査すると、原判決は、昭和三六年六月二七日第一審判決

の量刑は重きに過き不当であるとしこれを破棄し同判決の確定した事実に法律を適

用した上被告人を懲役六月に処しその刑の執行を三年間猶予したことは、所論のよ

うに記録上明白なところである。ところが、被告人は、即に同三五年一月二九日福

岡高等裁判所において恐喝罪等により懲役二年、三年間右刑の執行を猶予され、右

猶予期間中保護観察に付する旨の判決を受け、同年二月一三日該判決は確定し、右

保護観察は未だ取り消されることなく係属中であること、並びに、本件は、右保護

観察の期間中の犯行であることも記録上明白である。されば、本件は、刑法二五条

二項但書の場合に該当し、刑の執行猶予は、法律上許されないものであるといわな

ければならない。従つて、原判決は、刑訴四一一条一号に該当する事由があつて、

これを破棄しなければ、著しく正義に反することもいうを俟たない。

よつて、同条項により原判決を破棄し、同法四一三条但書により被告事件につき

さらに判決するに、原判決の確定した事実に法令を適用すると、被告人の所為は、

刑法六〇条、二四九条一項に該当し、同法四五条前段の併合罪であるから、同法四

七条、一〇条により重しと認めるAに対する罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内

で、被告人を懲役六月に処し、同法二一条により第一審における未決勾留日数中五

〇日を右本刑に算入し、訴訟費用については刑訴一八一条一項但書により被告人に

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負担させないこととし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

検察官 片岡平太公判出席

昭和三七年三月二二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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